単線図を複線図にする書き方を練習してみよう
公開日:
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最終更新日:2017/07/22
複線図
単線図を複線図にするところでつまづく方は多いですよね。
筆記試験では必ず電線本数を問う問題が出題されますし、技能試験でも単線図を複線図にする必要があります。
筆記試験では出題されても1~2問程度ですが、覚えておくことに越したことありません。
その1~2問で筆記試験を不合格になる可能性があります。実はポイントさえつかめば単線図を複線図にすることは簡単です。ここでは、単線図を複線図にするポイントと簡単な練習問題を用意してみました。
これを覚えれば苦手な「単線図⇒複線図」に変更する方法がわかるはずですので、しっかりと覚えていきましょう。
では、ポイントとなることを覚えていきましょう。
ポイントその1「接地側は負荷(照明器具)とコンセントにつなげる」
接地側(白線)につなぐのは、負荷(電球とか)とコンセントです。
では負荷(照明器具など)とかコンセントってどんな図記号でしたか?
手書きなので汚いですが・・・
負荷(照明器具など)の図記号はこんなヤツ
負荷名(照明器具など) | 図記号 |
一般照明 | |
シーリングライト | |
ダウンライト | |
蛍光灯 | |
ランプレセプタクル | |
引っ掛けシーリング(角型) |
コンセントの図記号はこんなヤツ
一般用コンセント |
もう一度言いますよ。
接地側(白線)は負荷(照明器具)とコンセントに無条件に線をつなげしょう。
ポイントその2「非接地側はコンセントとスイッチにつなげる」
非接地側(黒線)につなぐのは、コンセントとスイッチです。
コンセントの図記号は接地側で説明しました。
ではスイッチってどんな図記号でしたか?3路スイッチとか4路スイッチとかありますよね。
一般形(単極)スイッチ |
一般形(単極)スイッチが2つ |
3路スイッチ |
もう一度言いますよ。
非接地側(黒線)はコンセントとスイッチに無条件に線をつなげしょう。
全ての負荷(照明器具)、コンセント、スイッチは二つの線で結ばれますよね。
上記の通り、無条件に線で結ぶと、一つの線だけでしかつながっていないものがあります。
コンセントは共通しているので2つの線で結ばれているはずです。
負荷(照明器具)とスイッチは1つの線でしか結ばれていないはずですので、
最後にこの負荷(照明器具)とスイッチを線で結べば単線図から複線図に変更することができます。
文章で説明してもわかりづらいので、実際に簡単な問題をやってみましょう。
単線図を複線図にする簡単な問題1
下のような単線図があったとします。これを複線図に直してみましょう。
(電源・アウトレットボックス・シーリングライト・スイッチの4つ。)
中央にある白丸○の中に斜め線が3本入っている絵記号はアウトレットボックスです。アウトレットボックスはケーブルを結線するところです。単線図から全てのケーブルはアウトレットボックスを経由していることがわかります。
この上の単線図を少し変えると下の図のようになります。
電源は接地側と非接地側の2つあるので白丸○(接地側)と黒丸●(非接地側)にします。スイッチは上の絵のように書きます。
ここでポイント1の通り、負荷(照明器具)⇒シーリングライトをアウトレットボックス経由で電源の接地側(白○)と白線でつなげます。
この絵の中だと負荷(照明器具)はシーリングライトのみでコンセントはないので、接地側はこれで終わり。
次にポイントその2の通り、非接地側(黒●)はアウトレットボックス経由でスイッチと黒線でつなげます。
他にスイッチやコンセントはないので、非接地側も終わり。
残りはスイッチに対応しているシーリングライトの配線を、アウトレットボックス経由でつなげれば完成です。
この線の色は何色でも構いません。(2本の線の場合は、白か黒かになりますけど)わかりやすくするために緑色の破線で書いています。
結線部分に黒●をすると完成です。
これで単線図から複線図に変更することができました。何となく理解できたでしょうか?
もう一度ポイント言うと、
- 電灯やコンセントを接地側(白○)とつなぐ
- コンセントやスイッチを非接地側(黒●)とつなぐ
- 残っている片方をつなぐ
これが単線図を複線図にする方法です。
ではもう少し練習してみましょう。
単線図を複線図にする簡単な問題2
では第2問です。
下のような単線図があったとします。これはどのような複線図になるでしょうか?
スイッチを押すと蛍光灯が点灯するような図ですね。
では、まずこれを少し編集します。
電源を接地側と非接地側にしてアウトレットボックスを破線にし、スイッチを展開します。
ここまでは大丈夫ですよね?
次に接地側をつなげてみましょう。
接地側に接続するのは負荷(照明器具とか)とコンセントでしたよね。
では、蛍光灯とコンセントをアウトレットボックスで接続させます。接地側なので白線ですよ。
電源の接地側から1本の白線を引き、アウトレットボックスで負荷(電球)とコンセントにわけます。
次に非接地側です。非接地側に接続するのはコンセントとスイッチでしたよね?
電源から1本の黒線を引き、アウトレットボックスでコンセントとスイッチの片方につなぎます。
さて、スイッチと蛍光灯は1本しか線が引かれていません。ということは残りのスイッチ(ア)対応する蛍光灯(ア)を結べば良いわけです。
この線の色は何色でも構いません。(2本の線の場合は、白か黒かになります)わかりやすくするために緑色の破線で書いています。
結線部分に黒●をすると完成です。
これで完成です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?何となく理解できたのではないでしょうか?
実はこのように、単線図を複線図にするのは簡単です。照明器具やスイッチ、コンセントの数が多いと難しく感じるかもしれませんが、ポイントを理解したうえで考えてみるととても簡単に作図できます。
実際の第二種電気工事士の筆記試験では、毎年線の本数を問われる問題が1問は出題されています。ご覧のように単線図を複線図にすることは簡単なので、少しでも点数を取れるように勉強しましょう。
筆記試験で線の色が関わっている問題はおそらく出題されないですから、線の色はそこまで気にしなくても平気です。でも、技能試験では線の色も関係してきますので、線の色を少し意識しておいたほうが良いかもしれませんね。
さあでは第二種電気工事士の技能試験問題の単線図を複線図に書き換えてみましょう。
⇒もうちょっと単線図を複線図にする問題を解く
⇒実際に2017年(29年度)の技能試験問題の単線図を複線図にしてみる
⇒筆記試験の芯線数を答える問題を解くポイント
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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Comment
>電源の非接地側から1本の白線を引き、アウトレットボックスで負荷(電球)とコンセントにわけます。
接地側からではないでしょうか
ご指摘ありがとうございます。完全にミスしておりました。
どう考えても「接地側から」ですね。修正致しました。
それから非接地側にはスイッチのマイナス側をつなげるべきでは?
厳密に言えばおっしゃる通りですが、試験のみの考えでやってますのでそこは気にしておりません。